ROLEX EXPLORER2 REF.1655

エクスプローラー2 Ref.1655は、洞窟探検など昼夜の区別がつかない探検家のために24時間針を装着し、外周のベゼルに24時間表記をつけて、1971年に発表された。サブマリーナやGMTと同様の40ミリサイズのケースを採用し、日付とリューズガードが標準装備された耐久性と機能性を重視した探検家のための時計である。

1|EXPLORER2 Ref.1655専用の24時間針

Ref.1655の特徴ともいえるオレンジ色の24時間針と24時間ベゼル

特徴となるオレンジ色で大きな二等辺三角形の24時間針は、視認性が大変よく、わずかな光でも昼夜の区別ができるように考慮されています。時分針も視認性を高めるために、細い針を使用し、白く塗装されている。

2|5種類のオリジナルダイヤルと2種類のサービスダイヤル

ロレックスにおいて特殊ダイヤルを中心に製造を担ってきたスターン社にて、エクスプローラー2のオリジナルダイヤルは製造されています。インデックスはバーのペイント仕上げとなっている。通常の時刻を示すインデックスの間に24時間針用の真四角のインデックスも備えています。

Ref.1655のマーク1ダイヤル。王冠マークは5種類の中で最も小さい

マーク1

シリアル250万台~350万台(約1971-1973年)に生産。
王冠マークやロゴの表記が5種類の中で最も小さく、王冠マークは手書きのような愛らしいフォルムをしています。「ROLEX 」の「X」の下から「PERPETUAL」の「L」がはみ出ているのもMk1の特徴です。6時位置のSWISS表記は「T SWISS T」。

Ref.1655のマーク2ダイヤル。フロッグレッグと呼ばれる王冠マークが特徴

マーク2

シリアル290万台~550万台(約1972-1977年)に生産。
王冠マークが潰れたようなデザインとなり、フロッグレッグ1と呼ばれる形状に。
「PERPETUAL」の文字幅が狭く、「ROLEX 」の「X」の下に「UAL」の3文字が収まっています。SWISS表記はMk1と同様「T SWISS T」。

  1. フロッグレッグ…王冠の先にある点が大きめで、直線も短く潰れたようなデザインで蛙の足に似ていることからフロッグレッグと呼ばれる。 ↩︎
Ref.1655のマーク3ダイヤル。センタースプリットで一番判別がしやすい

マーク3

シリアル350万台~550万台(約1974-1977年)に生産。王冠マークは真ん中が少し尖ったような山型のデザインになり、少しずつ現行のものに近づきます。

6時側がセンタースプリットと呼ばれ、「SUPERLATIVE CHRONOMETER」と「OFFICALLY CERTIFIED」の中央のスペースが同じ位置に来ています。5種類の中では一番判別がしやすいです。

Ref.1655のマーク4ダイヤル。フォントが縦長でスリム

マーク4

シリアル550万台~650万台(約1977-1980年)に生産。
王冠マークが縦に長く、現行に近いものへ。12時側の書体はMk2のものに近くなりますが、全体的に縦長でスッとしています。トリチウム表記は「T SWISS < 25 T」に変更になります。

Ref.1655のマーク5ダイヤル。最も現行に近いデザインに。

マーク5

シリアル600万台~840万台(1979年~1984年まで)で生産。
王冠マークは先端の点が小さく、根元の円も綺麗な楕円になり、最も現行のデザインに近づきました。若干Mk4よりも「PERPETUAL」の文字幅が広くなり、6時側「OFFICIALLY」の「O」もMk4に比べると正円に近くなっています。SWISS表記はMk4と同じ「T SWISS < 25 T」ですが、サイズも小さく変更。

サービスダイヤル

サービスダイヤルは、ベイヤー社が製造しているもので2種類あります。オリジナルは全体が太字の表記に対して、サービスダイヤルは王冠マークも含めて、現行に近い書体となっています。「EXPLORER Ⅱ」の文字も大きく、角ばっています。「EXPLORER Ⅱ」の「R」の位置が、「PERPETUAL」の「L」の下まで来ているのがわかります。

Ref.1655サービスダイヤルトリチウム。レターのROLEXが現行のものに

サービスダイヤル1(トリチウム) 

SWISS表記は「T SWISS < 25 T」ですが、「<」が若干、幅狭です。

Ref.1655サービスダイヤルルミノバ。レターのROLEXが現行のものに。6時はSWISS表記のみ

サービスダイヤル2(ルミノバ)

王冠マークやレターはトリチウムのものと同様のため、SWISS表記で判断します。ルミノバの場合はセリフ付きの「SWISS」のみ。経年劣化による変色もありません。

3|4種類のベゼルと組み合わせ

時計全体の印象を左右する24時間ベゼルは4タイプ製造されており、製造年によってダイヤルとの組み合わせ方が変わってきます。Mk1ダイヤルとMk1ベゼルの組み合わせは、ベゼルの製造期間がおおよそ1年と最も短いため、数ある組み合わせの中で最も希少です。

画像:WatchProSiteより

マーク1
「6」や「8」など数字が切れてしまうくらい内側に打刻されています。
1971~1972年までの最初の1年弱ほどしか作られていません。

マーク2
打刻位置が中央寄りに。2桁数字の文字幅が極端に狭い。
1974~1975年の個体には常にMk2ベゼルが装備されました。

マーク3
Mk2より文字幅が僅かに広くなります。20時台のところの方で見比べると差がわかりやすいです。
Mk3ベゼルは1977年~の個体から装備されています。

マーク4
二桁数字の文字幅が最も広めです。
「2」の形も角ばっていて、「1」の折り返しは長くハッキリしています。

交換用ベゼル
「8」の上がより小さくなり、雪だるまのような形をしています。
直線部分はオリジナルより短く、2桁数字の文字幅も僅かに狭くなっています。

ベゼルの24時間表記もRef.16550からは現行と同じ▼表記に変わるため、文字盤のデザインも含め、直線的な力強いデザインを味わえるのはRef.1655だけとなっています。

【参考】シリアル・製造年月一覧

4|ブレスレット

rolex explorer2 Ref.1655 Mk1 dial

ブレスレットはRef.7836巻きブレスレット。フラッシュフィットは製造時期によって分離型FF280と一体型FF380がセットされます。1974年からはRef.78360ハードタイプのブレスレットと分離型FF580のフラッシュフィットへと変更になっています。バックルは王冠マーク刻印のシングルロック。



5|リューズガード

Ref.1655リューズガードは小さく先の尖ったものが初期モデルの特徴。ラグからの曲線も滑らかで美しい

ミドルケースと一体型で、通常よりは少し小さいリューズガードは初期モデルの特徴です。シリアル350万台(約1971年~1972年)まで。ラグからリューズガードにかけての曲線が滑らかで、スレンダー。リューズの王冠マークも現行のものより大きめで、ツインロックを表すアンダーライン入り。

Ref.1655は、歴代のスポーツモデルと異色な文字盤と針の組み合わせで現行モデルにはない特殊な仕様であることから、多くのコレクターから珍重されています。

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