ROLEX/SUBMARINER5512MM/GILT/PCG/1961Yサブマリーナー5512サークルミラー初期1961年製

かなり久しぶりに今年注目のヴィンテージサブマリーナーが入荷したので解説を。
今回入荷のサブマリーナーはレファレンス5512の初期のものに当たります。製造はシリアルから1961年。
5512サブマリーナーは1959年に初のリューズガード付きモデルとして登場します。最初のリューズガードはスクエアクラウンガードと呼ばれリューズを囲むように四角い形状をしていました。
次いで登場したのが今回入荷のポインテッドクラウンガード(PCG)リューズガードが尖っていることからこう呼ばれます。

文字盤は、所謂ギルトダイヤル(ミラーダイヤル)と呼ばれる黒い艶のある文字が金色のタイプになります。59~60年頃は6時位置の潜水表記とモデル名がシルバーで61年〜62年にかけて6時位置の2ラインがゴールドに変わります。ただし、王冠マークは基本的にマーク1コロネットと呼ばれるタイプで見分けはつきます(3タイプあり)。

王冠マーク(コロネット)とROLEXの書体が特徴的な初期の文字盤です。非常に製造期間が短い文字盤ですね。

次いでムーブメントは、当初Cal.1530のノンクロノメーターが採用されています。つまり、5512=クロノメーターでは無かったんですね、当初は。

画像の通りバタフライローターが装着されています。これも62年頃を境に通常のローターに変わります。
もちろん、裏蓋内側にも5512の刻印と製造年がエングレービングされています。

昨年Wallpaper*社から発売された、ROLEX社のSUBMARINER公式本によると、5512の総生産本数は17,338本で、5513が151,449本と実に1/10程度しか生産しておりません。約30年間の製造期間だったので、いかに5512の生産本数が少ないかがお分かり頂けると思います。

あと、個人的に一番嬉しい点は、リューズが王冠マークのみのツインロックが残っている事。小さい事ですが、嬉しかったりします。

ネガティヴ要素を挙げるとすると、ベゼルインサートのみ後年のものに交換されていることでしょうか。
こちらについては、当時のインサートをお探ししてお付けしようと考えています。せっかく希少な5512サークルミラーですから、元の状態に戻してあげたいと思います。

まだまだ見どころとが多いモデルですが、ポイントのみ紹介させて頂きました。
価格が上がるにつれ、ディテールで気になる箇所が増えますので、ちゃんとしたものを手に入れておく事が後々の為でもあり楽しみに繋が理ます。

ENZOSHOP Inc. CEO Kazunari NAKAI