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ここ数年、カルティエ人気が加熱気味で価格高騰を続けていますが、その渦中にありながら手に入れておくべき1本のご紹介です。
その1本とはタンク・バスキュラントLM手巻きです。ご存知の方もいると思いますが、ケースが縦方向に反転します(カブリオレ)。そう、ジャガールクルトのレベルソと良く似た構造。それもその筈で、当時カルティエがルクルトにケースの製作を依頼したという経緯があります。レベルソは横方向に反転しますが、バスキュラントは縦方向に反転します。ゆえにリューズは12時位置にありケースサイドに出っ張りがなくなり左右対称の美しいシルエットに仕上がりました。
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繊細で緻密に計算された設計は、まるで建築物のようで美しいの一言に尽きます。そして、この薄いケースの中に収められたムーブメントはフレデリックピゲ製でCPCPコレクション等と同じです。
このバスキュラントですが、ステンレス製で復刻されたのが1990年代後半(金無垢はその前に復刻済み)で、1999, 2000, 2001年とミレニアムモデルとして365本が限定販売されました。ただし、ステンレスのバスキュラントは2006年頃に姿を消します。
詳細は、https://www.hodinkee.jp/articles/six-things-to-know-before-you-start-collecting-the-cartier-tank-basculante をご覧ください。
で、今回入荷のモデルですが、裏蓋に2001の刻印があり、365本の限定モデルでは無いものの、何処かのブティックの限定等では無いかと推測しています。手の込んだオフホワイトのギョーシェダイヤルにブルースティールの針、フレデリックピゲの手巻きムーブ、ステンレスケース、そしてディスコンモデルで歴史的名作とくれば、マニアならずとも手に入れたい名品です。
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近い将来、プリヴェコレクションとして復刻されそうな名作のバスキュラント。プリヴェで復刻されれば、400,500万〜くらいのプライスになる事は容易に想像がつきます。個人的なコレクションにしたいところですが、大切にしてくださる方にお譲りします。
カルティエ タンクバスキュラントLM/ホワイトローマンギョーシェダイヤル/SS/フレデリックピゲ手巻き/Ref2390/Cal060/2001y/Cartier/Tank Basculante/White Roman Guilloche Dial/Stainless steel/Manual Winding/2001y
ENZOSHOP CEO Kazunari Nakai