久しぶりにスキッとした印象の初期の16520が入荷。R番からこの16520はスタートするんですが、この個体はL244~始まりなので1988年後期の製造と思われます。初期ロットは、段落ちのダイヤルに200タキベゼルの組み合わせ。その次はこの段落ちのダイヤルに225タキベゼルとなります。
この次のダイヤルは、いわゆる4ラインと呼ばれる4列表記となり、すぐに5列の表記に変わります。
特に一番最初の段落ち(フローティング)ダイヤルは珍重されており、世界的に評価が高いのは皆さんご存知ですよね。
そう、もうお気付きですね、オイスターブレスの中央がポリッシュ仕上げでは無い、そしてシングルバックルのブレスが付きます。90年代に入り間もなくダブルロックのポリッシュ(中央)仕上げのブレスに切り替わります。
ここで注目したいのが、フラッシュフィット。503と刻印されています。503Bではありません。そして、このフラッシュフィットはデイトナ専用で特別な形状をしてます。無垢ではないタイプのフラッシュフィットは必ずラグに引っ掛かるような形状をしていますが、このフラッシュフィットはなっていません。ケースのラウンドしている部分に重なるようにフィットする設計になってます。それに合わせるようにケースもその部分が一段落ちてます。
最近はクラスプの刻印も出来れば揃っている方が良いというお客様が増えてます。こちらはMの刻印なので1988年製となります。
これらひとつひとつの間違い探しのような仕事が僕の仕事と言っても過言ではありません。その答え合わせをしていくんですね。言ってみれば、この個体は全問正解の個体。フルオリジナルですね。
美しい4030ムーブメント。36000ビートから28800ビートに振動数を落とし耐久性を上げています。
裏蓋の刻印は16500となります。通常はケース刻印のリファレンスと同じですが、デイトナは16500と刻印されています。今思うと現行新型のリファレンス116500はこの時から続く何かがあるのかも知れませんね。
このようにヒストリーがたくさん詰まった16520初期モデル。世界のコレクターと言われる人たちが欲しくなるのも頷けます。そんなモデルがENZO SHOPにあって、そして販売できる事を嬉しく思います。
是非、特別な1本を手に入れてください、、、。
ENZO / NAKAI