タンバールと言えば、言わずと知れたライカを代表するソフトフォーカスレンズ。2017年にMマウントで復刻されましたが、こちらがオリジナルのThambar 90mmF2.2です。オフィシャルサイトには、1935年〜となっていますが、レンズのシリアルから読むと、その前年の1934年製である事が伺えます。タンバールはシリアル22~から番号が割り振りされています。
この22~スタートの番号は、僕が見たタンバールの中でも一番若いです。
上の画像のように専用フィルター・専用フード・専用キャップのセットで発売されました。これ、どれが欠けていても後で探すのは困難を極めます。
おっ、お気づきになりましたか・・・この驚くほど美しいコンディション。僕が取り扱ったタンバールの中では間違いなく5本の指に入りますね、間違いなく。
撮るとこのような感じ。サラッとフワッと。ソフトフォーカスの原点ともいうべき。
これM8で撮ってます。M240以降というか特にM10は画像処理のエンジン(マエストロ2)が殊の外良く出来ていて、そして画素数も上がっている為、レンズ自体の特性や性能を見る時は僕はワザとスペックの低いM8を使用します。レンズ特性が素直に出て画像処理もほぼされない為、レンズが少しでもダメだと如実に分かります。
本当に水墨画のようにとれます。また絞りとフィルターの相関関係を知るとより意図時にいろんな絵が撮れます。
見てください、この美しい象嵌を。こんな仕上げするのは美術品以外あり得ないような。レンズを眺めて当時の職人の思いを感じ、撮って当時のカメラマンの気持ちに近づく。
いやいや、ライカって楽しいですね。