Gallery ENZOにて開催中の「UKIYO-E PROJECT展」。先日は加賀のギャラリーを飛び出して、金沢へ。モダンな浮世絵は「他カルチャーとかけ算したら、どうなるか?」。
第一弾はお寺とのコラボレーション。お寺という伝統的な空間で、さらに日本の伝統文化、お抹茶のお点前と共に、浮世絵を愉しむーー。
というわけで、金沢・寺町にある「長久寺」へ。
ところでお寺、最近行っていますか?お盆や法事の時ですよね、行くとしても。「展覧会を見に、お寺に行く」。珍しいこういった機会に見渡してみると…、生命力溢れる木々、古い時代のガラスを通して落ちてくる陽光、鮮やかな色の壁や天井など、実はポジティブでアートな空間。
しかしなかなか悩んだんです、展示方法。試行錯誤の結果、デヴィッド・ボウイの浮世絵は思い切って本堂の正面に飾ることに。お釈迦様、失礼致します(展示会場は曹洞宗のお寺でした)。
なんとも不思議な存在感!
その周りには版木を置いて、制作プロセスのご紹介も。浮世絵が版画だとご存知無い方もいらっしゃり、“普段なかなか見られない物が見られて嬉しかった”というお声も頂戴しました。
ありがとうございます。
さらに別室では、立礼のお茶席をご用意。そしてこちらの床の間にも、浮世絵を一枚。お茶の先生が言ってくれたのです。「その日のテーマに合わせたものを掛けるのが、お茶の床の間。なにも絶対に掛軸じゃなくても良いのです。今日は浮世絵展なので、デヴィッド・ボウイさん、飾っちゃいましょ」ということで。
なんでも、ピカソなどモダンな絵画を飾るのが、ここ最近のお洒落なお茶席なのだそうですよ。
席に着くと、流れるような先生の所作。お上品で美しい茶器たち。そしてデヴィッド・ボウイに見つめられながらの(?)、お抹茶。
DAVID BOWIE
日本的なことが、逆にちょっと日常から遠くなっていたりもする、今ここニッポン。浮世絵、お寺、お抹茶と、伝統に囲まれることでの、これなかなかの非日常感、でも心地よさ。良いのではないでしょうか、こういう展覧会!
と思った、私アンディでした。
つづく