Elliott Erwittの目線

©️Magnum Photos / Elliott Erwitt

 

Gallery Enzoは金沢にございます。金沢は歴史ある城下町で、美味しいものありアートあり自然ありと、とても楽しい街なのです。しかしどの街にも一長一短あるように、金沢の困るところもやっぱりあって。それは……雨!雨がよく降る街なのです。真冬ともなれば、さらに雪とアラレのフルコンボ。「…もう間に合ってますよ?」とお空へ呟きたくなるような毎日が、もう少しでやってきます。でもそれでもまあ、多少不便する位は別に良いのです。それよりも私が少し寂しいなと思っていること。それは革の素敵なブーツを履ける期間が、あまりにも短いということ!

冬の女性のお洋服は、ブーツとのバランスが良くできているように思います。例えばこちらの写真だって。この独特のアングル、そうです、こちらは先週の「Weekly Andy」に引き続きエリオット・アーウィットさんの写真です。生物それぞれの、同じ「足」というパーツでも、子犬の目線で眺めればこんなにもバラエティ豊かだということに気付くこちらの一枚は、ブーツの広告写真。

©️Magnum Photos / Elliott Erwitt

ちなみに左の巨大生物も犬だそうで、グレートデーンという説が有力です。

目線を変えると世界の見え方が変わる、という点でやはり秀逸なのが、同氏の「California,USA,1955」。こちらは車のサイドミラーの中に、口づけをかわすカップルを見つけた写真。なんて幸福な1枚!

©️Magnum Photos / Elliott Erwitt

こちらは「フェアーグラウンド・アトラクション」というバンドのアルバムジャケットに使用された有名な写真ですが、そのために撮られた写真ではなく、なんと25年も経ってからネガを発見した作品なのだそう(ライカ銀座店3周年記念「New York and Dogs」インタビュー記事より抜粋)。

この瞬間をアーウィット氏が撮っていてくれたことで、そして無事発見されてタイムカプセルのようにこの世に出て来てくれたおかげで、一体どれだけの人が幸せな気持ちになったことでしょう!

これら作品、Webの画面で見ているだけでも充分素敵ではありますが、印画紙にプリントされたオリジナルにはまた特別な力がございます。ぜひオリジナル・プリントを見に、Gallery Enzoにお越しになりませんか?エリオット・アーウィット氏“LIVING”展は11月1日(木)から開催です。あ、お越しの際にはどうぞお天気をチェックして。雨や雪なら、長靴と雨具も忘れずに!「Weekly Andy」でした!